column コラム

2009年 首都大学東京Bスクール前期講義終了

昨日首都大ビジネススクールの講義が最終日を迎えました。
昨年はビジネススクールの「英語によるプレゼンテーション」前期日程で13回講師を務めました。
今年は毎週の講義日程が調整できず、夏季集中講座として3週間にかけて3回行わせていただきました。

当初もっとエントリーがあったのですが、実際に講義に出席された方は20人弱となり、昨日の最終個人プレゼンテーションを英語で行った方は14名という、少々寂しい結果となりました。新型インフルエンザにかかった、または患者に濃厚接触した人が数名でたという不可抗力もありました。

短期集中なのに3冊のオリジナルテキストと、3つのケースを使ってのプレゼンテーションの演習。最後は質疑応答まで英語で行うという濃い内容であったことで、生徒さん達は、「敵前逃亡したJ氏のようになるのは誰?何人出る?」という噂話をしていたそうです。逃亡者は4,5名だった。

実際、夜中私宛に「申し訳ありませんが、資料ができません。明日欠席します」とメールをくれた生徒さんもいました。「出来ている分で良い。とりあえずプレゼンはやってみること。」と返信すると、講義終了間際に滑り込んできて、何とか発表に漕ぎつけました。日本語では問題無いのに、英語になったとたんに金縛りにあったようでした。

「論理的なビジネスプレゼンテーションを、しかも英語で行う」というのは、慣れていないと思いのほかプレッシャーになるようです。講義中に「ソニーの盛田さんの英語で良いんだ」という話をしました。この言葉は、私が尊敬している、あるコンサルタントの言葉ですが、「上手い英語を話そうとするよりも、伝わる英語を話せ」という意味です。確かに盛田さんの英語はお世辞にもカッコ良いとか、発音が良いというものではありませんでしたが、人間力も伴って意思疎通に問題は無かったそうです。

私自身は外資系での仕事が長かったので、お会いしたビジネスパーソンには英語が上手な方が大勢いました。しかしながら、本当の英語での議論やコミュニケーションができるかどうかは、「英語力」よりも「論理的思考力」や、最後は「人間力」や「何とかしようという意思」のほうが、はるかにモノを言うことは、実感してきました。

講座では、このへんもお伝えしたかったのですが、まだまだ十分では無かったようです。打ち上げ後に数名の方からメールがあって、講座が実践的で有意義であったことを伝えていただき、多少ながらほっとしました。