ここ6ヶ月ほどかけてやっとマーケティング戦略の本を上梓することが出来ました。

題名は「値上げのためのマーケティング戦略」

本の内容はマーケティング戦略全般に関わっていますが、特に顧客に価値を提供し、かつ価格を上げて利益を得るにはどうしたら良いか?という今日多くの企業が直面している課題に対して、私なりの解決オプションを提示したつもりです。序文は下記のもの。

はじめに

私には日本企業の復活の為に、今こそ顧客価値創造プライシング力を強化すべきであるとの想いがある。そしてその想いは日々強くなってきている。

私がコンサルティングやマーケティング・ワークショップなどを提供させていただいている企業は、商品に誇りを持って企画、製造し、販売している典型的な「モノづくり」企業が多い。惚れ惚れするような技術力と製品開発、製造能力を持つ。しかし例外的企業を除きコモディティ化の罠に囚われて十分な利益確保が出来ずに苦しみ抜いている。思えば世界を席巻するような革新的製品の多くは、かつて誇らしいことに日本製であった。だからといって私はモノづくり企業には未来がないかのような論調に組みする気は毛頭ない。モノ作りの基盤があってこそ国際競争力の復活が可能であると信じているからだ。同じように幾多のサービス業のクライアントも日本人の「細部へのこだわりとおもてなしの心・・・コトの演出力」を有し、卓越した業務遂行能力があるにも拘わらず、永く続いたデフレ経済からの潮流に抗しきれていない。国内では主なサービスの標準価格は20年の間、ずっと下がり続けてきた。

モノづくりとコト演出(価格戦略を含むマーケティング戦略)の技が本来適正に組み合わせられたならば道が開けるはずであるが、それが出来ている企業は希だ。残念ながら多くの日本企業は、私が実体験したり、コンサルティングサービスを提供させていただいた、高収益を誇るグローバル企業と比較して、これから本書で述べる『顧客価値創造プライシング』の能力、ひいては現在の事業環境変化に対応したマーケティング戦略の追行能力が十分ではない。その能力不足を顧みず、これまでは業績不振の言い訳に日本企業の六重苦(円高、高い法人税率、自由貿易協定への対応の遅れ、労働規制、環境規制の強化、電力不足)を挙げる企業経営者も散見された。

しかし、ここに来てはっきりと転機が訪れている。2012年末からそれらの悪条件は徐々に改善されつつある。他責で済まないという事業機会の節目が変わり、その変化の中で規模の大小に拘わらず競争優位を構築して利益を生み出している企業が明確になっている。そして優秀な企業人は、学習意欲が高く常に参考になる事例と解決案を模索し続け、反撃の機会を窺っている。私も2013年初めよりそのような課題を持つクライアント企業と接し、復活の処方箋に対して議論することが増えてきた。
今こそ企業はデフレ経済下で価格戦争に明け暮れる消耗戦から脱し、提供価値を見直す必要がある。提供価値の中でも機能的価値は十分過ぎるくらいなのだから、日本企業が不得手なブランディングやデザインなどの情緒的価値を見直して、それを丁寧に選択した顧客に「知覚していただく」。そしてその「価値に見合った値上げ」を実行する為のマーケティング戦略を持たねばならない。そしてその想いが今回の書物刊行の動機付けになった。

執筆に際し古巣のマッキンゼー社の出版物を含め多くのマーケティング関連、経営戦略の書籍を紐解いてみた。既に自身の血肉となっている知識もあったが、新たな発見もあった。それらの知恵と私がこれまで蓄積してきた知見とを集約し、この本で微力ながら経営者、マーケティング責任者やブランドマネージャーに対し戦略変更と実践のためのヒントを提案した。経営者、マーケティングの責任者の方々には、パート4を特にご覧いただき、マーケティング、価格戦略の実行力向上に活かしていただきたい。また、本書はマーケティング担当者、商品企画担当者に手に取っていただく事を想定して書いたが、それだけでなく、マーケターを志す皆さんに読んでほしい。

この本に限らず世にガイドブックはある。それを実践できる企業に進化すべき時だ。

アマゾンでは既に予約が可能で、一般書店では11月11日出版予定です。

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