column コラム

TV広告とFLATマーケテイング

最近は、マーケテイングの最新トピックとして「マーケテイングのFLAT化」の話をしています。一時は「マーケテイング2.0」とも言っていたのですが、さすがに近年ではWEB2.0というバズワードもすっかり鳴りを潜めてしまったので使うのも憚れる。某携帯のキャリアがテレビで、2.0 と言い出したあたりから、手あかがついた単なる掛け声になってしまった。

FLATと表現しているのは企業とユーザーの立ち位置のことです。いわゆる情報の非対称性が、WEBの発達とユーザーのアクティブ化によって解消しつつあるとで、マーケテイングが大きく変化した。また既存媒体の力が落ちてスポンサーの広告費出費が劇的に変化しています。特にテレビCMの広告効果に疑問符が付いており、媒体の勝ち組はWEB、特にモバイル関連が勢力を伸ばしています。

この4大マスメディアの凋落に関しては、4月にこのブログでも書きました。そしてその際、この変化をポジティブにとらえてマーケテイング戦略を練り直しできる企業が勝ち組になると言いました。また、TVCM単価が下がったら上手く「逆張り」する企業が出てくるであろうことを書きました。

ここ数か月間TVマーシャルを注意して観察していましたが、特定の業種、企業の露出は旺盛です。パチンコなどのエンターテイメント、食料品、医療関連などはこの不況期にも強い。それらの業界の中でも特定の企業のTVCM露出が目立ちます。この「逆張り仮説」を確かめようと思って、先週ある企業のマーケテイングのプロジェクトの会議後、マーケテイング担当シニアマネージャーにこの話をぶつけてみました。「最近御社のTVのスポットが増えているようですが、CMスポット枠単価が極端に下がり始めていて、目敏く底値買いして攻勢に出ているのではないか?」と尋ねると、まさに「その通り! 今は、メッチャ強気に代理店と媒体社に交渉してますよー」と関西弁でにこにこしながら答えてくれました。

聞けばこの会社は新型インフルエンザの影響で神風が吹いたことを除いても、この半年の業績は絶好調とのこと。件のシニアマネージャーは「うちは外からの評価は高いけれど、実際にはマーケが弱くて・・・」と嘆いていらっしゃいましたが、何の何の。その会議後、「御社マーケスタッフの商売感覚は素晴らしいの一言。次のプロジェクトでもっと底上げしていきましょう。」と、お話してきました。次回のワークショップが楽しみです。

「逆張り」は大切ですよね