column コラム

アクションラーニング実践力

一昨日ある企業のアクションラーニングの最終プレゼンテーションがありました。4つのチームが副社長を初めとする十数名の役員の方に、9ヶ月に渡ったアクションラーニングの成果を発表します。単なる研修の枠を越えて「イノベーションを起こす」ことが命題なので、これまでにない新期事業のタネを出すことが求められます。

結果として4つの提案を関連部署と連携して前進させることとなりました。1つの提案は水面下で進行している中国でのプロジェクトと一緒にして「直ぐに実験しなさい」とのこと。

もう1つの提案は、数ヶ月後にある国の高官が来日する際に会談を予定しているので、直接可能性を打診してみてはどうか? といった前向きなアイディアも出されました。

他の2つの提案は初期コストを抑え関連企業との協業を考慮すれば実行可能性が増すことを指摘され、継続検討とされました。

この企業のアクションラーニングで感銘を受けたことは、参加者のダイナミズムとコミットメントでした。

あるチームはアフリカでのビジネスを発案したので、「実際に現地、現物を見ないとプランにならないのでは?」と持ちかけました。すると参加者は正月から10日間、有給休暇も利用して自費でアフリカに出かけ、フィージビリティ・スタディを行いました。提案が机上の空論にならず、リアリティと、何より彼らの熱を帯びていたことは当然でした。副社長もその想いに圧倒されていました。

また、質疑中には参加の役員から、「これを自分でやりたかったら転籍だな?その気はあるか?」「ちょうど人事部長、担当役員がいるから、このあと転籍、検討しようよ」といった議論が飛び交っていました。

役員のコメントにはいずれも若手の提案の重箱の隅を突くような論点は少なく、そのアイディアを実現するにはどうしたら良いか?何が足りないか?というポジティブな視点がありました。

多くの日本企業では若手社員の内向き志向の高まりが嘆かれているなかで、この企業では事業熱に溢れた人材が育ってきていることが実感できて、講師として得ることも多いプロジェクトでした。

これは勇気をもらいましたね。